top of page
BIトップ外ヘッダ.jpg
合気道ブログ.jpg

若い女性たちは、どうして「男をやっつけたい」と思っているのか


掌打

養神館合気道 精晟会渋谷に体験していただいた方たちで、若い女の子たちの動機の多くは、「男の人をやっつけたい」「合気道でやっつけられるようになるかどうか」ということ。自分で合気道の教室を始めるまでは、そんなこと聞いたこともありません。

ところが精晟会渋谷で体験された10代20代の女性の9割ぐらいは、そんな動機なのです。


どんな武道・格闘技でも、体格差のある相手は難題

入会していただいた人も含めて、私は「いやあ合気道で、やっつけられるようになるのは難しいです。そもそも制圧する武道で、叩きのめすものじゃないし、酷いことはしないんです」と答えます。男性との体格差、たとえば体重が20kg以上重い相手なら、動かすのも大変です。

どんな武道や格闘技でも、体格差は難題です。多くの競技が体重別になっているのは、そういう理由です。

合気道の稽古の設定は、現実のトラブルに即したものではないです。押された場合引かれた場合など(一)(二)と別れていますが、あくまで稽古法・技の体系として設定されています。現実的にはさまざまなケースが考えられますが、すべてを網羅したとしたら型にはならないでしょう。 また具体的にどう使えるのかばかりを優先して追求し始めると、きっと合気道ではないものに変貌してしまいます。

合気道には当て身があります。養神館は当て身を多用します。

たとえば拳で顔面を突こうとすれば、突きやパンチの稽古をするだけではなく、拳自体が衝撃に耐えられるよう鍛える必要があります。ところが柔術系・合気道の当て身は、鍛えなくても硬い部位を使って、人体の弱い部分に使います。

当て身は、それだけで倒すものではありません。崩しのために使ったり、あるいは自分の死角をなくしたりするものです。

入会された人には、即効性のある当て身の方法を見せることはありますが、たいがい「私にできるかなぁ」という反応。まあ、だいたいそうです(笑) 

塩田剛三先生の著書によると、植芝盛平合気道開祖は「実戦では当身が七分」とおっしゃっていたそうです。技の中では、たとえば側面入り身投げの相手の首の下に入れる腕は、肘打ちに変化できます。それを稽古するかどうかは別にして、同じタイミング、角度、間合いなのです。

養神館総合演武大会での婦人警官

警視庁の婦人警官の約6割は、養神館合気道をやっていると先の「全日本養神館合気道総合演武大会」の来賓挨拶で、警視総監がおっしゃっていました。演武大会では、毎年警視庁専修生や、婦人警官の方達も演武を披露されます。

これがもう激しい。私は多くの合気道の演武で行われる武器取りに、かなりの不満を持っていますが、警視庁の婦人警官の方々の対武器には目を見張ります。毎回、学ばせていただいています。 演武と普段の稽古は違います。術理以前に、あれだけのことができるのは、普段からどれだけ激しく稽古されていることか。

警察官として職業として稽古されているのですから、質・量共に著しくちがうと考えた方がいいでしょう。

「男をやっつけたい」それぞれの事情と、合気道の可能性 いままで何度か護身について書いていますが、私がいろんな人から聞くトラブルの多くは、満員電車の中、そしてお酒の席。あるいは仕事関係やコミュニティがらみ。いわば身内とのセクハラなどのトラブルです。だから、やっつけるための術(すべ)ではなく、避けるための術。酔っぱらっている相手なら「何をされたかわからないうちに離れていた」ぐらいの護身の術が必要だと思っていました。

そう考えて空手の方たちに講習させていただいたことがありますが、「男の人をやっつけたい」という女の子たちは、どんな具体的な事情があるのでしょうか。

毎回、聞いています。

するとストーカーだったり、DVだったり、お酒のからむトラブル、あるいは漠然とした不安だったり、事情はさまざまです。DVの中身までは詳しくお聞きしていませんが、DVならその場で対処できても、離れないと根本的な解決にはならないでしょう。

こんなにいろいろトラブルがあるのかと驚きますが、昔よりも増加しているのでしょうか。あるいはなんとかしたいと考える若い女性が増えているのでしょうか。 いずれにせよ、対処することが次のトラブルを引き起こすなら意味がありません。やはり一番必要なのは、「やっつけるための術(すべ)ではなく、避けるための術」。そして「緊急時に止める方法」なのだと、私は考えます。

本当かどうか、錯乱したような何人もに襲いかかる通り魔でも、弱そうな相手を選んで傷つけているといいます。弱いも何も、背中を見せて逃げたり立ちすくんでいれば、標的になりやすいだろうということは想像がつきます。 養神館合気道を稽古していて、備えた姿勢で中心を守っていれば、相手は一瞬でも躊躇するかもしれません。備えた姿勢になっていれば、躱すことが可能になる確率もあがりそうです。ただ、受け流したり躱したりは稽古で身につきますが、それを生命の危険を感じるような場面で使えるには、かなりの胆力が必要になるはずです。

胆力や技術より、「来るな!」と反射で出せる当て身

胆力を身につけるのは、どうすればいいのでしょうか。先日も体験の女性から聞かれたのですが、正直なところ私にはわかりません。 武器を持つ武道で胆力を言う道場もありますが、武器を持たない状態で胆力が発揮できるかどうかが問題ではないでしょうか。

だから精晟会渋谷では、なにより反射。女性の会員に対して、当て身が意識せず反射で出るように稽古しましょうと毎回のように言っています。それは掌底による顔面への当て身。気合いは「エイッ!」だけど、心の中では「来るな!」と叫んで突き出せと。当て身をするという意識ではなく、来るなと突き出すのならハードルは下がります。届かない距離で止めるのではなく、相手がのけぞる位置まで入る。そこまで突き出して入ることで、受けられても態勢が崩れる。やっつけることができなくても、相手を止めることができます。

こんな当て身が反射で出すことができれば、そこからもっとエグイことへ、いくらでも展開もできる。受ける方も意味のある稽古になるし、有段者が相手で油断があれば遠慮なく当てろと言っています。

体験してみてくださいのバナー

Popular articles

New article

bottom of page