塩田剛三コンプリート [体験談編]
◯邂逅… あの時の「手合わせ」
現在は空手を指導されている著者。学生時代、大学の教務室にいらっしゃった中山正敏先生(日本空手協会の設立者)のところに行くと、そこに「老人」がいた。
あとから中山先生と互いに武道の研究をされ、その日も技術的な歓談をしていたことを知ったとあります。
少し、抜粋させていただきます。
何でだ!??
さっき教務室で見た時何故、気がつかなかったんだろう。
背広姿で眼鏡をかけていたからか。
いや、雰囲気が、まるで違うからだ。
二十歳の若造の私でも、それくらいは分かる。
にこやかに中山先生と談笑しているのに、時折こちらを見据える「眼」のなんて「嫌なこと」…
そんな「眼」は、そうあるものじゃない。
総裁もそうだ。中山先生も時としてそうなる。
合気武道家との試合映像で
世界的に有名になった総合格闘家の“殴り込み”
◯総合格闘家・岩倉豪が語る、合気道・塩田剛三の強さ
2006年、気功で弟子を飛ばす「大東流合気道」の総裁と公開の場で戦った、総合格闘家の岩倉豪氏。その動画で一躍、世界中に知られる格闘家になりました。
その岩倉氏は二十歳のころ、塩田剛三先生のセミナーに殴り込み気分で行って、恐ろしいめに遭わされたそうです。
塩田氏のことを「インチキだろ」と思っていた岩倉さんは、「君の得意なもので殴って来なさい」という塩田氏の言葉に、当時プロともスパーリングをやっていた自慢のボクシングで勝負を挑みます。
グローブを付けて、思い切りパンチを繰り出すと…
体が宙に浮き、そのまま床に落とされたそうです。
(中略)
岩倉さんは、左肩を脱臼。当時のことは痛さのあまり、憶えていないそうです。
しかも塩田先生は、岩倉氏の肩をはめ帯で固定し、こうして固定しておけば三日間で治るとおっしゃっり、実際にその通りになったそうです。
これは中京テレビの番組で、リンク先にインタビュー映像もあります。
BUDO-RA BOOKS編集長が
塩田剛三先生にやられた技を解明?
◯30年ぶりに解明された塩田先生の実戦技
山田英司氏は、その著書『合気道と中国武術はなぜ強いのか』で、養神館の館長室で塩田剛三先生に右ストレートを叩き込み、右肘を折られる寸前までいったエピソードを明かしています。
「いわゆる一本背負いの姿勢のように、私の身体は浮き、投げられる寸前の姿勢で止まった」とのことですが、そのときの技が30年ぶりに解明されたとブログに書かれています。
塩田先生は私の腕の下にスルリとはいり、腕の逆を取り、ボキッ!「あいて!」と思わず叫ぶ私。
一週間は右肘の痛みが取れませんでした。しかし、その時の塩田先生の動きは速すぎてよくわかりません。一度、井上先生に聞いたら、肘の外に入り、逆を取る技の応用だろう、と言われましたが、塩田先生は確かに私の内側に入ってきました。
ところが、今回、横山先生のガチ甲冑合戦の本を作っていると、これだ!と思う技を見つけました。その技は有効だが、危険なので甲冑合戦では禁じ手となっている腕天秤という技です。
井上先生とは、二代目館長の井上強一先生のこと。横山先生とは、功朗法の横山総師範のこと。
ブログには、腕天秤の写真も掲載されています。想像とほぼ同じですが、少し違いました。精晟会には四段の審査技で「腕背負い肘当て投げ」というものがあるのですが、効く原理は同じですね。