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  • 養神館合気道 精晟会渋谷

満員電車にこそ、護身が必要かもですね - 2


前回「満員電車にこそ、護身が必要かもですね - 1」で、合気道を続けていて変わったこととして「通勤電車で絡まれなくなりました」と教えてくれた人がいた。相手もゴツゴツ自分もゴツゴツしていた。合気道を続けて、ぶつからなくなってきたから絡まれなくなってきたのでは、と書きました。

怒声が聞こえ、ほとんどの人が電車から降りてしまった

今回は私の経験したことです。帰りの遅い時間帯の電車に乗っていると、ケンカしているような怒号がしていました。

電車は混み合っていましたが、200%とかではありません。ほぼ満員でしたが、普通に立てる状態です。私は本を読んでいました。怒号が耳に入ってきても、ああまたか、ぐらいにしか思っていませんでした。怒号がしてるところまで見えません。

ところが次の駅に停車すると、人が逃げるように降りて行くのです。私は長いシート、8人とか10人掛けでしょうか、とにかくシートの端に立っていました。

怒号の主たちは、そのシートの逆の端にいました。私と揉めているふたりの間の空間にいた人たちの、ほとんどがドッと降車してしまったのです。私の前に座っていた人まで降りてしまいました。

事情がわかりません。怒号を聞くのは嫌な気分ですが、座っている人たちまで降りるような事態なの、と。何年も通勤していれば、これぐらいの事態に何度となく遭遇しているはずなのに。

とにかく私は本を読むのに没頭していたので、それほど気になっていませんでした。

私がケンカを止めなきゃいけない状況なんだろうか

それよりも、この状況は私しかいないけど私が止めなきゃいけないんだろうか。止めないとマズい状況なんだろうかということが気になりました。

一方が相手の足を蹴っています。でもふたりは親子ほどの年齢差があり、体重差も1.5倍はありそうです。蹴っているのは、年上で小さい方。年下で大きい方がキレたら、一瞬でやられてしまうでしょう。危険なタイミングなのは、間違いなさそうです。

私は本を網棚のカバンの横に置き、ケンカしているふたりに近づきました。

年上でいきり立っている方は、危ない人ですが空威張りに思えます。若い方が暴れたら手に負えなさそうだから、とにかくそちらを離そうしました。

横から身をかがめて、低姿勢に入って「ヤメてヤメて。離れましょう」と言いながら、両腕の二の腕部分に手の平をピトッと当てました。そして後ろ足で床を押しながら、ゆっくり押して行きました。

技ではないけれども、さまざまな理合いは合気道そのもの

これって、まんま合気道です。技そのものではありませんが、合気道の体の使い方や力の使い方です。

ピトッと手の平を柔らかく当てたのは、相手に反射を起こさせないためです。こちらの緊張とか攻撃する意図が手の平から伝わると、相手は反射的に反応して動いてしまいます。

もしも相手が暴れようとすれば、柔らかく当てた手はいわばセンサーモードになっているので、瞬間的に重心の動きが伝わってきます。このときの話をすると、蹴られたりしたらどうする。膝蹴りとかしてきそうじゃないか、とか言われます。

いやあ相手が蹴ろうと意図したら、そんな大きな動きは、簡単に察知できます。この体勢からなら圧倒的にこちらが有利です。いわゆる一般的に合気道で、呼吸法と呼ばれるものと一緒です(養神館の呼吸法は一から五まであるので、一緒だとは言えませんが)。しかも相撲でいえば、下から差している状態に近いのです。

こんなことを稽古したこともありませんが、たぶん押し崩すとか、突き飛ばすこともできるかもしれません。少なくとも蹴りは、食らわないでしょう。

養神館合気道の、ぶつからずに強い重心移動で前に出て倒す方法

後ろ足で床を押しながら動かすのは、養神館なら前に出て倒す技の多くがこの形。下のツイートの動画の後半、後ろ両肘持ち側面入り身投げなどは、まさにこの形です。重心、前傾した体の重みが前に移動して行くのですから、力学的なエネルギー量は大きいのだと思います。

相手の体と私の体には、手の平しか接点はありませんが、それなりに押し合っていることで、いわば動かない四本足のテーブルのようになっています。前に出るのは、そのテーブルの片側二本の足にはバネがついていて、足裏から床を押す力が跳ね返ってくると考えればいいのではないでしょうか。

適切な比喩かどうか、あまり自信はありません(笑) 

理屈の説明も正しいかどうかは不安ですが、釣り合っている状態から前に押し崩して倒すのは、養神館の技そのものです。腕で押しているのではないので、ぶつかってはいませんし、なかなか抵抗できません。じわっと、ゆっくり前に出て行けば、力みなく押せるのです。

突然乗り込んできた、鉄道会社の警備員たち

何も問題なく、ふたりを引き離すことができました。よりいきり立っている方が空威張りなら、離してしまえば追いかけて行くこともないでしょう。

私は元の立っていた場所に戻り、本を読むふりをしながら、本当に終わったのかどうか観察していました。すると次の駅だったかに停車すると、いきなり警備員の服装をした人たちが乗り込んできたのです。見た目が、あきらかに通常ホームに立って乗降客を注意をうながしたり誘導している警備員とはちがいます。強そうです。