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合気道と、いい姿勢と脱力の関係性


肩甲骨を

先日体験の方が時間前に来られたので、稽古前に、いろいろと話をしていました。

なんと精晟会渋谷のサイトにアクセスされたときのキーワードは、「姿勢」「脱力」だとおっしゃるのです。

これまでのブログを読んでくれて興味を持っていただいたのなら、うれしい限りです。でもそんな人は初めてです。初めてなのでちょっと驚いて「え、じゃあ合気道には興味ないんですか?」と聞いてしまいました。

合気道にも興味はあるけれども、とにかく姿勢や脱力について知りたいとのことでした。うーんと専門家じゃないけれども、精晟会渋谷は日常に役立つ合気道と言ってるのだから、そのぐらい説明できないと…

【いい姿勢をキープし続けたら良くなるのか】

どうして姿勢や脱力について興味があるのかお聞きすると、ヨガをやっているのだけれど体がやわらかくならない。整体に行っても、肩甲骨に指が入らない。日常の習慣に問題があるんだろうと言われると。

よくある話で、ヨガだろうが整体だろうが、そのときにゆるめることができても、日常生活で一週間もすれば元に戻ってしまう。そんなの当たり前だ。

仕事はどんな環境ですか。イスに座って、ずっとモニターに向ってます?とお聞きすると、そうだと。一日中デュアルモニターに向って、仕事をしているとのことだった。

なるほどね。そりゃあ、ダメだわ。仕事中、首から上と指しか動いていない状態を何時間も続けていれば、それだけで致命的。要するにエコノミークラス症候群になるのと同じような状況におかれているんじゃないだろうか。

どれだけヨガや整体でゆるめて、いい姿勢を知ったところで、どうにもならない。いい姿勢というのは専門家によって、多少の違いはあるけれども、ほぼ似たようなもの。頭・胸・腰という重いエリアの中心を垂直に揃えて、背骨の上にまっすぐ乗せることだ。

他にそんなこと言う人を知らないから、まったくの私見ですけどと断った上で

「座ったときのいい姿勢というのは、股関節で座る。そして立ったときのいい姿勢と同じで、気功や武道でいうところの上丹田・中丹田・下丹田を揃えること。でもどんなにいい姿勢だって長時間同じ形をキープしてたら、体にいいわけがないと思うんです」

「だいたいいい姿勢、いい座り方を教える専門家だって、数時間もそれをキープしてるわけじゃないだろうし」

「モニターを見るだけで、頭が下に向く。それだけでも頚椎に負担がかかる。僧帽筋とか背中の筋肉が引っぱられて緊張する」

「いい姿勢を知っておく必要はあるけれども、座っていても意図的に動いていないとダメだと私は思うんです」みたいなことをお話しした。

あまり一般的とは言えない内容だけど、この人は間違いなく何かの運動の専門家だ。そういう体つきだし。違うなと思いながら、ボディビルとかやられてます?と聞くと、してないですという返事。

いやあの、ボディビルダーみたいな体脂肪率の低そうな肉体じゃなくて、パーンと張った筋肉をされている。強いて言えば総合の格闘家?

まあ分からないけれども、専門家なら詳しく、思うところをちゃんと説明した方がいいだろうと思ったんです。

【養神館はハッキリした強い軸のある合気道】

それで合気道はどうかというと、一般的にはそれほど姿勢を重視しません。ところが養神館合気道は姿勢をとても重視します。養神館の中でも、私はかなり姿勢を言う方だと思います。

なぜ重視するかというと、姿勢による力をメインに使うからです。姿勢による力というのは、つまりは重力を味方につけること。わかりやすいのは重心移動によって生まれた運動エネルギーを使って、相手を倒すこと。

重心移動による運動エネルギーをロスなく、最大限に使うために、体軸を設定します。一番は中心軸ですが、平行移動だけじゃなく、倒れ込むような移動もします。そのときに体軸をキープするだけの最小限の筋力だけ使って、あとは極力脱力します。

完全に脱力すると立っていられませんよね。ぐしゃっと潰れるだけです。

立って移動するだけの軸を維持して、あとは腕を伸ばしたりする形を維持するだけの最小限の筋力を使うようにします。

私は力の通り道と言うんですが、力の流れを足裏から手の指先までロスなく伝えるためには、極力筋力を使わないんです。

力んで筋肉を固めていると、一度ほどいてからじゃないと動けないですよね。しかも固めたままでいると、そこがどんどん動かなくなってしまう。

脱力の仕方としては、思いっきり力んでから一気に力を抜く方法などがありますが、それは脱力した感覚を覚えるためのもので、リラックスするにはいいと思います。

だけど養神館合気道では、そもそも伸ばすための筋力を使って動くことがほとんどなので、本来は力みとは無縁です。力んでしまうのは、メンタルです。

そして養神館合気道のいい姿勢とは、動くための姿勢ですし、力の流れを作るものです。というようなことを説明した。

そしてスワイショウから基本動作、受け身、技では基本の技を。正面打ち一ヶ条抑え(一)で斜行による重心移動がどう伝わるか。片手持ち二ヶ条抑え(二)で大きな重心移動がどう伝わるかなどを体験したもらった。

私がずっとお相手してわけじゃないけれども、二ヶ条で下に降ろすところでは、力んで抵抗しているわけじゃないのに跳ね返ってくる弾力というのか肉体の強靭さみたいなところに、驚かされた。

【海兵隊にも合気道の技術が取り入れられている!?】

稽古が終わって外に出て歩きながら話していると、「さっきやられてた技は、海兵隊の格闘術にも取り入れられてますよ」とおっしゃる。ん? どういうこと?

「◯歳から◯年間、海兵隊にいたんです」「え? 永住権を取るためにですか?」「いやアメリカ生まれで、アメリカ国籍持ってます」と話をしていると、両親は日本人だけど、とんでもないパワーエリートじゃないかと思った。アメリカ大使館にはこういう人いるけど、一般企業にもいるんだと驚いた。

除隊してからそれほど経ってないし、とても若い。強靭な肉体をされているけれども、それでも重力を味方につけていないと、苦戦するところも出てくるってことですね。

合気道の体験へ

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