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運動していても不調になるかもしれない原因




先日、緊急事態宣言が解除され、精晟会横浜合気道会支部の稽古が再開されたので参加してきました。

精晟会渋谷は、横浜合気道会支部傘下の道場です。


皆さん、なんかスロースタートでどうしたんだろうと思っていたら「今日はリハビリみたいなもんだから」という話が出ました。「いや、うちは昨日も一昨日も稽古したし、私は今日で三日連続やってるから」と即座に言いましたが、ここに来ている人たちは、ほぼ全員がほぼ3ヶ月ぶり。それだったら、リハビリぐらいのつもりがいいかもしれません。


ただほとんどが高段者なので、調整ぐらいしとけよと内心思ったのも事実です(笑)

そんな意地悪なことを思う私も、昨年の非常事態宣言のときは、まったく稽古していません。さまざまなことをして調整していましたが、解除後の初稽古で前回り受け身をしたら、痛ッーと感じたのは内緒です(笑) 


肉体面に限定しても、合気道の稽古を完全に代替する方法はないでしょう。





【膝裏が伸びなくなってる】


その前日の精晟会渋谷の稽古でも、緊急事態宣言で休会していたけど解除で復帰した、という人が複数います。

その人たちには私も、リハビリのつもりでやらないとね。杖の打ちは、肩・肩甲骨を大きく動かすから、まずそれからやろうと考えていました。


ところが基本動作・臂力の養成をしているとき、復帰した人たちの、後ろ足の膝が伸びていないことに気がつきました。

え、どうして? 養神館では後ろ足の膝はいつも伸びています。臂力の養成でぐっと前に出たときには、特に後ろ足がいわば突っかい棒になっている必要があります。

ここを伸ばして、と私が触っても伸びません。それならと、基本動作が終わってから、補強運動をすることにしました。


自宅でもやれるよう、ほぐすことやヨガを行いました。

ダウンドッグのポーズ。そして片足ずつ、歩くように踵を上げ下げして、足の背面全体を伸ばすことを私がやってみせました。


ところがです。誰もダウンドッグのポーズができないのです。ダウンドッグとは下の写真のような形。身体を三角形にします。

踵がつかなくても、それなりに背面を伸ばせるのですが、そこまでも行きません。ほぼ四つん這い。四つん這いから、お尻を上げたような形になっていて、驚きました。

かなり、マズいです。


この日は男性だけですが、30代40代50代ができません。足だけではなく、背中も、身体の背面全体が硬いのです。



これがコロナによるリモートや外出自粛が主な原因かどうかはなんとも分かりませんが、とにかく歩いたりする機会の減っていることが原因ではないでしょうか。


これまで通勤などで毎日のように出歩いていた人が、ほとんど出歩かなければ、ほぼ毎回の稽古に来ている人だって硬くなって当然です。圧倒的に、時間が違うのです。




【毎日のように走っている人も】


毎日意識せずにやっていたことが、1/10、1/20になれば、大きな影響が出てもおかしくありません。

そしてその減った分の多くが、座ることに変わっていれば、さらに深刻です。

昨年からは日本でもあちこちで出ていますが、座りすぎは病気になる。命を縮めると言われています。



とにかく意識的に姿勢を正して、ゆるめたり伸ばしたり、筋肉に負荷をかけることをしてくださいと言いました。

すると、毎日のように朝走ってる人が、それでも硬いといいます。多分それって、身体を固めて走ってるんじゃないか。もしそうなら、逆に、身体のあちこちに負担が出てるかもしれないですよと答えたのですが。


逆に「足裏がつりませんか?」と聞かれました。

きっと年齢的に、つっているはずだと思われたのでしょう(笑)


「や、ないですね。歩いてないけど、毎晩、風呂上がりにタオルギャザリングしてるから。ぶあいついバスマットので」と言ったのですが、タオルギャザリングが<つらないこと>に役立つかどうかは分かりません。

ただ足裏、足指を鍛えるのに役立つのは間違いないでしょう。役立つというより、現状では歩く走る不足を補っていると言った方がいいかもしれません。


去年の非常事態宣言のときに、こんなツイートをしています。

タオルギャザリング、タオルギャザーとは、下のツイートの二つ目です。


このツイートで思い出しましたが、足指でグーチョキパーをやったときにも、「つる」と言っている人がいました。

裸足で稽古していれば、自ずと足指は使うはずなんですけどね。



ともあれ毎日のように走っている人の、足裏がつるのであれば、それは足裏や足指が使えていないんじゃないでしょうか。あるいは、ふくらはぎが硬くなっている。使いすぎて、ほぐしていないから硬くなるということもあるかと思いますが。


想像すると、もしかすると高機能スニーカーのせいかと。


『疲れない体を脳からつくるボディハック』によると、「脳は合理的に省エネして“使わない機能は捨ててしまう”という鉄則のもとに働いている」とのことです。





今年の箱根駅伝でも、ヴェイパーフライかアルファフライ、どちらにせよナイキが100%に迫るシェアだったそうです。速く走るための最先端の機能。軽量なのはともかく、優れたクッション性とエネルギーリターン、推進力を得る構造、足首関節の負荷を抑えるというフレーズを聞くと、足裏の機能はどんどん使われなくなる方向に開発が進んで行くんだろうな。


すべてのスニーカではないにせよ、走るために作られたスニーカーは、同じ方向を向くしかなさそうです。

勝つために特化されたシューズは、勝つこと以外は考慮されていないでしょう。



そして『疲れない体を脳からつくるボディハック』に書かれていることが正しいなら、「脳は足裏を使う機能を捨ててしまう」と言えそうです。



補強運動をするにせよ、運動不足解消で鍛えるにせよ、よほど意識的に考えてやらないと、運動することが自分の身体のバランスを壊してしまうかもしれません。




【衝撃不足が問題になるのかも】


衝撃不足が原因で、骨粗しょう症になる可能性を言っている研究もあります。

かなり以前から、身体への衝撃が骨を強くする。30代半ばから骨量は減っていく。それを補うのは、骨への衝撃だという説は、あちこち読みました。



ところがほぼ真逆のアプローチのように、スクレロスチンという「骨を作るのをやめよう!」とメッセージを出す物質が大量発生すると若くて運動をしていても、骨量が低下し骨粗しょう症になるというのです。


それは2018年のNHKの番組です。

今回番組で取材したのは、自転車選手として全米選手権でも準優勝したブレイク・コールドウェルさん、33歳。
日常生活での軽い転倒で大腿骨を骨折し、念のためにと受けた骨量検査で、重度の骨粗しょう症が発覚しました。25歳で80歳代の骨量しかありませんでした。
なぜ健康な若者が骨量減少に陥ったのか?その理由として考えられるのが、「スクレロスチン」という「骨の細胞が出す物質」の異常発生です。コールドウェルさんの主治医、ポール・ミラー医師は「骨粗しょう症は高齢者だけの病気ではありません。若く健康なのに骨粗しょう症を発症する患者も多く、その場合、スクレロスチンの大発生が原因となっている可能性が高いのです。」と語っています。

全米選手権で準優勝ですから、間違いなくトップアスリートです。とんでもない質と量の、トレーニングをされているはずです。それでも骨粗しょう症になったのは、骨への衝撃不足。


なぜそんな異常事態が起きるのか。実は骨細胞には「骨にかかる衝撃を感知する」という働きもあり、衝撃があるかないかによって、新しい骨を作るペースを決めているのです。骨に「衝撃」がかからない生活を続けていると、骨細胞が「スクレロスチン」をたくさん出して、骨芽細胞の数を減らし、骨の建設を休憩させてしまうことが、最新の研究でわかっています。

そして「骨活には自転車より、ランニング」という展開になっています。

しかしもしランニングが、それほど踵に衝撃を与えてなかったとしたら、どうでしょうか。





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