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じゃあ女性の護身に役立つには、どんな稽古をすればいいのか


諸手持ちの設定

先日で、事前に男女同数になることが分かったので、これはいい機会だ。男性相手に護身の稽古をやってみようと考えました。


女性の護身に対する考え方は、以前に書いた『男性をやっつけることは難しい。無理だと思った方がいいと私が言う理由』で詳しく述べていますので、ご興味があれば読んでください。

また記事の一番下に記載されているタグ「#護身」をクリックしていただくと、護身関連の一覧が出てきます。

男性をやっつけることは難しい。無理だと思った方がいいと私が言う理由



ともあれ、その稽古でやろうと思ったのは、本当に男性から引っ張られたとき、それに対抗できるかどうかということです。技術より先に、まず反応できるかどうか、そして自分の体勢をコントロールできるかどうか、です。


『男性をやっつけることは難しい。無理だと思った方がいいと私が言う理由』に書いていますが、合気道の稽古では手を掴まれることが多いですが、それは護身的に致命的です。



特に諸手持ちの設定は、護身としては致命的にマズイ状況なのに、平気で技を掛けられると思っていたとしたら、稽古でやっていることが逆に危険です。

体重も筋力も勝る相手が、不意に掴んで引き込んできたらどうなるか。実際にはどうなるのか、そこを経験しておくのがポイントです。




男性相手に行った護身の稽古の狙い


まず、諸手持ちの技の稽古をしました。

諸手持ちの技は、片手を両手で掴んで引かれたらという設定です。実際、これだって相手を動かすのは、かなり技量が必要です。


合気道の技の稽古ではそこまでしません。でも掴んで何もしてこない、なんてことは現実ではまずありません。下の動画でしゃべっていますが、実際に私の奥さんが遭遇した設定です。車に引き込んでしまおうとされたのです。

もちろん、警察に通報しています。すると、いくつかの通報があったことが分かりました。10何年か前の出来事ですが、現実に起こった事件です。


動画は、この日の稽古のダイジェストです。


うちの奥さんは、運動に関して普通の人ではありません。昔のこととはいえ、いくつかの記録や全日本で優勝しているぐらいなので、動きが合理的で、瞬間的に力を出すこともできます。たぶん危機的な状況でもパニックにならないのだと思います。

だから、瞬間的に対抗できたのでしょう。


武道や格闘技をやっていなくても、対処できる人は対抗できるのです。でも、ほとんどの人は落ち着いて対処できないし、対抗できません。

いくら男性相手の稽古だといっても、襲っているわけではありません。テンションが上がって、マックスで引いているわけでもありません。それでもなかなか対抗できません。

女性の蹴りが通用しなかった

じゃあ合気道の稽古なんて、やっても意味がない?


いやいや、そんなことはないはずです。まず、合気道の技は現実の危機に対応しているわけではありませんが、稽古を続けることで、その人の能力を底上げします。


単純な話、転んでケガしていた人が、受け身ができるようになればアスファルトの上でも平気に転べるかもしれません。体捌きなど合理的で素早い動きが身について、身体的にも筋力や神経系の働きが強化されれば、対応できることが増えるのではないでしょうか。危険を避ける能力も向上するはずです。


すぐに役に立たないんじゃあと、何もしていなければ、年々衰えるだけです。逆に、すぐに役立つことなんて、どこにもありませんん。



普段の稽古でよくやるのですが、たとえば剣や杖を目に向けます。

すると間合いが十分あるのに、女の人はキャっと目を背けたりします。私はその反応自体が、ダメなんだよと言います。目を逸らして横向いたり後ろ向いたりしたら、それだけで危険度が跳ね上がる。凝視しちゃダメだけど、ポーカーフェイスでこちらと向き合ってることが必要。こんなことは、単に慣れだからと。


襲ってるわけじゃなくて、あくまで安全に配慮した稽古なんだから、それで慣れてしまえば儲けもの。

でも慣れただけだと勘違いしてしまいがちだから、もう少し状況設定を厳しめにする。何段分か上のステップを経験する。


そして出来ることと、出来ないことを把握してもらうのが、この日の稽古の狙いでした。




技術がどうこうの前に、まずメンタル


経験してみないと分からないことは、いっぱいあります。いや、経験しないと分からないことばかりです。頭の中でこうなるはず、じゃなく、経験し試すことは大切です。

私もこの日に「こうすればこうなる」と考えて説明した対処方法が、体重差がありすぎで効果がないということがありました。



合気道では、一般的に「相手の力を利用する」と言われます。その通りなのですが、その力に「圧倒的な差」があったらどうでしょうか? いままでにも何度か書いていますが、型稽古は、指導する人がよほど言わないと勘違いを加速させます。つまりは妄想です。


精晟会渋谷の稽古では、毎回、剣や杖を使います。たとえば剣が斬ってくるのを体捌きで外し、投げたりします。だけど、現実に刃物を使うわけではないし、刃物相手に捌いたりできると思わないでくれと言います。

いやだって、どんな武道の道場だって、危険がないように稽古しているでしょう。そして合理的な動きを身につける。でも現実に起こる事件では、犯人は合理的な動きをしませんよね。


じゃあなぜ、剣や杖を使った稽古をするのかといえば、まず、素手よりはるかに緊張感があるからです。徒手の打ち突きの稽古だけだと、そんなへなちょこな突きを捌いて投げたからって、なんの役に立つんだろうとなってしまいませんか?

でも同じ人が剣や杖を持つと、リーチもスピードも格段に上がります。


剣対杖


必要なのは対処方法以前に、少しの緊張で崩れてしまわないメンタル。そこがダメなら、ちょっとしたことでパニックになってしまうなら、どれだけ技術があっても動けないのではないでしょうか。




護身の考え方として必要なのは


戦うんじゃなくて逃げるだけでも、相手が圧倒的に優位なら、その優位差を少しでも埋めることが必要だと思います。相手が武器を持っているなら、こちらも何らかの道具を使うべきだということです。使えるものは、なんでも使う。


こんな稽古もしています。



諸手持ち、つまりこちらの片方の腕を2本の腕で掴まれたら、こちらも掴まれていない方の腕を使う。体格差があって襲われているのだから、2本の腕に2本の腕で対抗しても、まだ不利です。だから足だってなんだって使う。


こういうことを書くと、合気道は蹴らないのにと言う人が出てきがちです。

いや、重大な危機に際して出来ることはなんでもするのが当然じゃないですか? 使える道具があるなら、それを使う。

どんな危機に遭遇しても合気道の技だけで対処できるなら、その人は歴史に残る達人でしょう。



合気道の大勢としては、当身はなくなりつつあるようです。養神館合気道では、当身を使わないなんてことはないはずです

それでも効果のある当身を使える人は、少数かもしれません。片手を2本の腕で掴まれたのなら、相手の両腕は封じられています。だから、こちらは空いているもう一方の手で当身を入れるのは、当然だし必須だと思います。



掴まれるのが事前に分かっているのならともかく、今回の稽古の設定のように不意に引っ張られたとしたら、その勢いのまま肘からぶつかっていけば、有効な当身になるはずです。

実際に起こる危険は、技の設定ではないのだから、できることはなんでもやる。



そのためにどんな稽古が有効なのかは、正直なところ、まだ確信がありません。稽古は、あくまで合気道の稽古が主体。でも要望はあるし、現実的な危険に対応できる段階的なスキルの向上はさせたい。

せめてその入り口になるような稽古の機会は、これからも作っていきたいと考えています。



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