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握手して落とすなんて失礼なことするなよと


片手持ち

【バキはガチらしいんですけど】

片手持ち四方投げの稽古をしていたら高校生が、「漫画のバキはガチらしいんですけど、渋川剛気が握手した武蔵を合気で落とすシーンがあるんです。それをやってるYouTubeがけっこうあってー」と言い出したから、もう可笑しくって。

うん、知ってる(笑) だけど握手した相手を落とすなんて、どんな場面でやるんだよ。そんな失礼なことしたら、嫌われるだけだよ。と答えました。

まあ聞かなくても分かります。高校生は、まもなく留学予定。以前から留学先で日本の文化である合気道を教えたい、と言っているのです。

たぶん、握手もそのつもりでしょう。そんなのは日本の文化でもなんでもないし。

仮に握手から落とすことを習得して、留学先で披露したらどうなるでしょうか。

きっと体格の勝る高校生が出てきて、強い握力で握りつぶされて終わり。不思議さに驚くことよりも、マッチョぶりを見せつけ合う方が、西洋的な価値観ではポピュラーなのではないでしょうか。

一概に外国人といったって、いろんな人がいます。同じ国でも、まったく違ったりします。

骨格だって華奢な人から、日本人ではまずいないというぐらいのゴツさの人もいます。私も合気道をやっているおかげで、数カ国の人たちとは稽古しました。

海外の師範と片手持ちからの押し合いをしたことがありますが、呼吸力は大したことないなと思いながらもフィジカルが桁違い。握力だけで、こちらの手は痺れています。技なら流せばいいじゃんとも思えますが、痺れていてはその段階で技だって潰されています。

通常の技の稽古ではそんなことしませんが、そのときは呼吸力を養成する稽古なので、思いっきり持って押し合っていいのです。

【バキの渋川剛気は、どのあたりがガチなのか】

渋川剛気のモデルは、塩田剛三先生。それは作者の板垣恵介さんが著書の中でお書きになっているので事実でしょう。


私は塩田剛三先生にお会いしたことはありませんが、バキに描かれている渋川剛気並にヤバい人だったのではないかと思えます。だけど様々な先生方からお聞きする塩田剛三先生像は、さすがに漫画とは異なります。

書くほどのことではないと思いますが、出てくる技だって、現実とは異なります。

こんなほりぁと、グルグル回す技はありません(笑)

激闘達人列伝

漫画は漫画。デフォルメと誇張で物語の世界に引きずり込む、没入感が売り。

板垣恵介さんは、塩田剛三先生の著書『合気道修行』『合気道人生』を作ってくれた、いわば養神館の恩人でもあると思います。

だけど現実の技は違う。

違うし、どんな技にだってタネも仕掛けもあります。コツだってあります。

そこに向けて身体をつくっていったり、様々な相手と繰り返し稽古することで、技として習得することを目標としているのが武道なのだと思います。

ところが大人も子どもも、そして老人も、タネだけ知れば習得できると勘違いする人が少なくないかもしれません。特に合気系には多いかもしれません。

一発逆転の秘技なんて、どこにもありません。タネや仕掛けがあるなら、破ることだってできるのです。

【タネだけで安全に使える合気道技はあるのか】

私が高校生に留学するまでに教えると約束しているのは、離脱法です。

というか、技を留学先でやらせたくない。やるなと言っています。

仮に投げることができたとして、受け身を知らない相手にやっていいでしょうか。抑え技関節技ができたとして、初めての相手にやっていいでしょうか。

少なくとも技をやる側にそれなりの技術があるだけではなく、危険性を理解し把握していないと、ただの暴力でしかありません。合気道の技は痛め技でも壊し技でもありません。

離脱法が合気道の技かというと微妙かもしれませんが、柔術系の流れでは、どこでも手ほどきがあります。精晟会渋谷ではやっています。

離脱法といっても多様な方法があります。タネだけ知ればできる、なんて方法はありません。少なくとも、どこを中心に回っているか。回転軸を設定して、その通りに回転できる稽古は必要です。

それはこういうことです。ご興味があれば、見てください。

これで高校生が納得してくれれば、いいのですが。

納得してくれなければ、床の上で前方回転受け身をやれ。それも飛び越し受け身を、というつもりです。誰かに亀になってもらって、それを飛び越して前方回転する受け身。それなら驚いてくれる海外の高校生は、少なくないはずです。

問題は、床の上で飛び越し受け身をするのは、それなりの稽古量が必要だということですね(笑)

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