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「得物の陰に身を隠す」って何? 中心力とどう違う?



【なぜだか「得物の陰に身を隠す」が出てこない】


このブログを書くのに「得物の陰に身を隠す」で検索してみました。ちょっとフレーズを変えたりしてググってみたのですが、まるで出てきません。


もしかすると私の勘違い!? いえいえ、言葉の言い回しとしては違っていても、概念としてはとても重要です。

第一、私は剣杖を使う稽古で「得物の陰に身を隠す」と頻繁に言っています。間違っていたら大変です。


いや間違っていてもいいです(笑)

私が「得物の陰に身を隠す」と言っているのは、こういう意味です。




【得物とは広く武器のことを意味します】


得物とは、あらゆる武器のことを意味します。転じて、得意な武器を使うことを「得物を持って」とも言うそうです。

合気道では、一般的に剣杖短刀、それも木製のものを使います。

これ、ざっくりと棒状のものを意味しているとも言えそうです。剣、短刀と言っても、刃のあるものを使うわけじゃない。


またヌンチャクとか鎖鎌とか、離れたものを連結した武器でもない。


私が稽古で「得物の陰に身を隠す」というときは、剣杖短刀、棒状の武器を指しています。手の内とか言い出すと難しいですが、とりあえず棒状だから、傘でもクイックルワイパーでもボールペンでも「陰に身を隠す」で使えると説明します。




【まずは三角に構えること】


詳しくは『中心を護る・中心を取るって何?』に書いていますが、多くの剣術にある三角矩に構える、刀身に身を隠すという概念。

自分の中心・正中線を守りながら、相手の中心・正中線を取りに行くことが得物を持った構えの基本です。



これはほぼ、養神館の構え、中心力の概念と一致しています。養神館合気道龍の安藤先生は、著書の中で「人体の中心を縦に貫く中心線を維持する力が“中心力”である」と書かれています。


中心線とは、正面から見たときの正中線。養神館の構えは前傾姿勢ですから、構えた両手のあたりに重みが乗っていきます。

ともあれ、剣を持っていても持っていなくても、養神館の構えは三角。剣や杖を持った場合は、その先端にまで意識が通っていること。それが得物が手の延長のように扱える最低条件です。


私はその先。構えるのは、護りつつ攻めているのだから、相手の目なら目。そこにレーザーポインターのように、狙う意識を飛ばすと言います。「得物の陰に身を隠す」の隠すは、狙って攻めているから隠せるのです。



動画にしていますが、植芝盛平先生がおっしゃった「合気道の△○□」の△は、たぶん手の先、得物の先端だけではなく狙った先で作る△を含む。それこそが最も重要だと考えています。


1分5秒あたりから、剣を構えたところにボールを投げつけるとどうなるかを検証しているシーンになります。

まっすぐ来る攻撃は、これだけで弾かれるのです。





【得物の後ろに身体があること】


「得物の陰に身を隠す」とは、一義的には、文字通り得物の後ろに身体を置くことです。

たとえば突いていった杖の後ろに自分の身体がなかったとしたら、それはほとんど腕の力です。自分の身体がなければ、跳ね返されてしまうかもしれません。


杖で押し合ってみれば分かります。もちろん身体が後ろにあるだけで押し勝てませんが、必要不可欠な条件です。

ただ杖の打突を素振りしていたり、組み杖だけでは分かりませんが、しっかり突いたり打ったりするには、身体が後ろにあることが必要です。




【身体が後ろにない場合もある】


剣や杖の素振りなどをしているときに、動作が正しいかどうかを自分で判断する基準として「得物の陰に身を隠す」は使えます。「後ろに身体がある」を単純化するなら、両手の後ろに身体があることです。


ただ、特に剣では動作の途中に得物の後ろに身体がない場合もあります。

この場合は、剣先が相手の方を向いています。相手の中心と自分の中心を結ぶライン上に剣先がきています。もちろんこの剣先は相手を狙っている。


養神館の剣操法、2分33秒あたりから体の変更(一)が出てきますが、これがまさに、その代表例です。






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