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合気道を始めたばかりの人が、とにかく目指した方がいい4つの方向性


礼

精晟会渋谷に入会したばかりの人に、何度も伝えていることを、整理してまとめておきます。

合気道初心者が上達するために、いやたぶん楽しんで稽古するためには必要なことですし、何かあったときに、合気道の稽古が役立つためには不可欠なことだと思います。


今回は初心者向けの内容ですので、できるだけカンタンに書いています。

さらに詳しく知りたい方は、リンク先の動画や他の記事に飛んでください。


まずは受け身からです。




身体を丸く使う受け身の方法をおぼえる


合気道の受け身には、さまざまな方法があります。数種類に分かれていますが、その目指すところは、どんな風に倒れても投げられても安全に衝撃を逃し、身体にダメージがないようにすることです。


後方転倒受け身

例えば東京でも雪の積もることがありますが、その度にテレビなどでは転んで怪我をする人のことが報道されます。

稽古で投げられて受け身するのではなく、足が滑って転倒するのですから、どんな風に倒れるのか予想できません。合気道をやっているのだから、もし転んだとしても、なんともなかったと言いたいですよね。

というか合気道を稽古して、現実的に役に立つのは受け身です。受け身以外は、使わない・使うような場面に出くわさないことがベストですから。



瞬間的に予測できなければ、対応は遅れます。


運動の習得段階は、次のような考え方がメジャーかと思います。

1.頭で理解しているが、実際の動きはできない

2.意識して動けば再現できる

3.自動化の段階


もちろん自動的に、どんな場合でも安全な受け身ができることが必要です。名称がついている受け身の稽古をただ数こなすだけではなく、身体を丸く使う、後頭部も顔面も打たない、手を伸ばして接地しない、腕全体を使うようにするなど原則を徹底します。

稽古のときにだけ、上手に受け身できても、それほどの価値はありません。予期せぬときに転んでも、あるいは突き飛ばされたりしても、自動的に受け身が出ることを目指します。



また頭は体重の約1割の重さがあるので、遠心力があるとガクンと後ろに振られたりします。車の事故などで起こるむちうちは、衝撃で重い頭がふられ、背骨の首部分(頚椎)が捻挫し、痛みや不調が出る症状です。

車の事故には対応できなくても、日常的にも転んだりすることで頚椎を痛めることはありますし、振られるのを止められる筋力は必要です。


だから受け身に必要な筋力程度は、日常生活でも必要なものだと考えておきましょう。

足りなければ鍛えるしかありません。


いわゆる腹筋運動のように、ピンポイントで腹直筋に効かせるなどの方法ではなく、受け身の動作に近い方法で全身を鍛えておくことがベストだと思います。

現実的に役立つのは受け身。「どう転んでも大丈夫」が目指す方向


さまざまな受け身のやり方をYouTubeにあげていますので、ご参考に





構える動く、どんな動作にも軸を意識する


一般的に合気道に構えはありません。でも養神館には構えがあります。

塩田剛三先生は、植芝盛平先生のおっしゃる「呼吸力」の核は「中心力」であると考えられ、その中心力を養うために、養神館では「構え」を基本に据えられました。


軸の解釈はさまざまですが、難しいこと抜きにして、ピンと張った真っ直ぐな感触ぐらいに考えてください。立つのも構えるのも動くのも、この軸が拠り所です。

そんな風に考えると、構えは、まず軸をつくる稽古だと言えます。


養神館の構え

「構えのカタチ」をとる。そのときに軸の感覚が感じられるかどうか。感じられるためには、カタチを維持する以外の筋力を使わないことです。逆に余計な筋力を使わないから、軸があるとも言えます。つまり軸ができているから、脱力して姿勢を維持できる。


軸と力を使わないことは、ほぼセットです。

ただ立つことを考えても、もし骨がなかったとしたら、全身に力みを入れても姿勢を維持できなさそうです。中心軸などメインになる軸は、骨を拠り所として全身をつないでいるものだと思います。



日常生活でも、軸の感覚は、疲れない姿勢、痛めない動作に役立つはずです。

もう少し詳しいことは、こちらの記事に書いています。


動作の拠り所は軸

上・中・下の丹田はいわば三つの団子。串が通された三つの串団子

上の画像は、「丹田から出す力って、なんだ!?」という超長編記事で使ったものです。ご興味のある方は、読んでみてください。覚悟を決めて理解しながら読むと、たぶん1日かけて読み終えられない長さと内容ですが(笑)


ここでは上・中・下の丹田という言葉を使っていますが、精晟会渋谷の稽古では大きな骨で守られた重い三つのパーツ、それはいわば三つの団子。串が通された三つの串団子として想像してみてと言っています。

この串が軸です。


軸は垂直なものだけではなく、例えば、腕の位置を動かさずに回転させる、みたいなことは腕の中にまっすぐな軸をイメージして、それを拠り所にします。


軸のない無軸を目指す武道もありますが、これはかなり難易度が高く、初心者が目指すとただグニャグニャしている人になりかねません。




重力を味方につけること


合気道は生の筋力を使わない。呼吸力を使うと言われます。筋力を使わなかったら何を使うんだというと、一番重要なのは重力です。体重といってもいいですが、串でまとまった身体の重心が移動する力が、最も大きな力です。

少し詳しくいうと運動のすべてが重心の移動をともなうのですが、養神館の場合は主に大きな重心移動を稽古します。意図的に起こす重心移動で発生した力は、相手にとって対処しづらい力になります。


対処しづらいのは、気配がなく、相手が準備できないからです。


先の画像は、直立したときは、串団子が垂直に揃っていれば、揃える筋力や神経系を使わない。

構えたり残心するときの斜めになった姿勢でも、揃っているのは同じ。重いパーツが揃っているから、重心の移動・落下で大きな運動エネルギーを発生させることができます。


これが重力を味方につけるということです。

姿勢に串が通っていなければ、姿勢や動きを維持するだけで大変です。技どころではありません。力まず、必要のない力が抜けていないと始まりません。


重力を味方につけないと無駄な筋力を使ってしまう



指が膝が肘が、今どこにあるのか


姿勢に串が通すといっても、多くの人は自分の首の角度がどうなっているかを感じるだけでも、そこそこ難しいと思います。精晟会渋谷の稽古では、スカイフックという天からロープで吊られたイメージを使ってもらいます。


スカイフックとは、重力との調和をゴールにしたボディワーク・ロルフィングの創始者アイダ・ロルフが名付けたイメージ法です。スカイフックのイメージ法は、世界中の身体運動で使われていますが、簡単にいうなら、身長がちょっと伸びた感じ。踵が上がるわけじゃないですが、上から吊られたイメージは、重いパーツを揃得るのに、とても便利です。


細かいことは、とりあえず無視してOK。スカイフックで天から吊られているイメージで立っていれば、だいたい姿勢は整っています。

ただ合気道は立っていればいいだけじゃないですから、つま先がどっち向いている? 膝の角度は? 指はどっちを向いているなど、いわば全身の地図ができていて、自分で認識できること。検索するマップではなくて、常に認識できていることが必要なのです。



構えや基本動作を行うことで地図はできてくる。はずです


いわば身体の地図を認識すること

ところが、ひとりで動くなら、全身の地図を把握できていても、相手がいて手首を握られたりすると、途端に地図がムチャクチャになってしまいます。言うまでもないなく相手がいても、ちゃんと把握できている状態が目指すところです。


実は相手がいる状態でも、自分の身体の地図を把握できるためには、軸があって余計な力を使わないことが必要なんです。力みがあると、地図も歪んでしまうのです。互いに連動していて、セットになっているのです。

上級者だって、どんなときでも全部揃っているとは限りません。それほど難しいことなので、あくまで目指す方向ということです。



また荷物を持ち軽く扱うには、骨格的に無理のない姿勢であることが必要です。合気道では無理のない姿勢、無理のない動きが重要ですが、そのためにも身体の地図が不可欠です。


三つの目指す方向性はどれも連動している

 

とにかく初心者が目指すべき内容として書きましたが、何年何十年と合気道をやっていても、いつも自分でチェックしながら、目指すべき方向だと思います。もちろん私自身も。


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