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合気道の道場を開くには -2


指導者資格は、鎌倉・鶴岡八幡宮での精晟会指導者研修合宿で審査が行われ、養神館本部に推薦される(2016年の10月以降、この仕組みは変わる)。精晟会とは、塩田剛三先生が独立し、養神館を設立されるとき、大学の後輩 寺田精之先生を連れていかれた。塩田剛三先生がお亡くなりになったあと、養神館の最高師範をつとめられた寺田先生。その寺田先生の教えを受けた先生方が作られた団体だ。

毎年5月に指導者研修合宿があり、そこで指導者資格の審査がある。この合宿には有段者だけが参加でき、海外からも多数やってくる。指導者資格はその合宿中に、複数の師範の方々から審査される。審査中は、師範の方々だけではなく、全員から自分だけが注視されるので、緊張感があるなんてもんじゃない。

それまで生きてて一番緊張した場面かも。終わってからいろんな人に「ぜんぜん緊張してなかったじゃないか」と言われたけど、顔や態度に出てないだけで、道着の下は尋常じゃない汗をかいてた(笑)

私は先生(松尾正純師範)からこの審査を受けろと言われたとき、養神館合気道を続けて行く上での通過儀礼だ、ぐらいにしか受けとめてなかった。

道場の話は、開けと言われたわけではなく、期待感を伝えられただけだけど想像外のできごと。

指導といっても、サポート的な指導は普段からやっているし、以前いた流派では初段のときに完全に自分だけが指導することさえあった。指導者資格は、そういう指導とはぜんぜん違う。養神館の指導者資格は昇級昇段の審査するために資格だから、確かに自分で道場をやらなければと意味はない。ないけれども…

ただ合気道の道場は、変わって行かないとまずいよな。特に指導方法に関しては、時代にそぐわなくなってると前々から感じてた。

私はいろんな武道をやってたし、今も交流があるのであちこちの道場に行く機会がある。合気道の場合はほぼ、先生が前で技を見せられて、少し解説があるって、はいどうぞというスタイル。習うより慣れろということか。合気道の開祖・植芝盛平先生は、技の説明をほぼされなかったらしい。

それに近い稽古スタイルまま続けるのは、今の時代にどうだろう。

植芝盛平先生がよく口にされたという武産合気。塩田剛三先生がおっしゃられていた「歩けばそれ即武道」。技が生成されるものなら、稽古の方法だって変化したっていいはず。

松尾正純師範は信じられないほど、こと細かに教えていただいている。はいどうぞのスタイルではない。抽象的ではなく、かなり具体的だ。正座して見てないで、そばに来て詳細に見ろ。筋肉に力が入っていないかどうか、触ってもいいという先生だ。そうやって教えていただいているから、どれだけ理解が進んだことか。

養神館の稽古は、習得しなきゃいけない基本が明確だ。審査の内容も、はっきりしてる。だからこそ安心して、習得するプロセスを多少変えたっていいはず。それを自分の責任でやれたら… いや、やりたい。

合気道を始める人の動機は、千差万別。体だって、千差万別。稽古できる時間や目的、ライフスタイルだって、ぜんぜんちがう。だからそれぞれに意味のある稽古方法や伝え方を考えよう。少ない人数なら、それも可能なはず。

そんなに大それたことを、書くつもりじゃなかったけど(笑)  

続きます

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