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合気道の動きは、日常の動作とはちがう。
そう語られることが多いようですが、精晟会渋谷では少し視点が異なります。合気道だって、日常に役立たなければ意味がない。日常のどこかで技がそのまま使えるわけではありません。でも、なによりも日常にフィードバックできる、日常生活の立ち振る舞いの質を上げることにつながる稽古を目指しています。

疲れやすい女子高校生の理由

精晟会渋谷を立ち上げてから、直後のことです。関連道場の女子高校生が稽古に来てくれました。臂力の養成など基本動作をやっても、ばつぐんに美しい。キレイな軸ができています。

 

以前に、お母さんから「でもすぐに疲れた疲れたと言うんですよ」とお聞きしていました。どうしてだろう。これだけ姿勢を見事に作れるのに。筋力不足なのか。そう思っていたのですが、稽古に来てくれたときの歩き方を目撃して、謎が解けたのです。

​彼女はリュックを今風に、お尻の方まで下げていたのです。いわゆる反り腰状態で、骨盤に乗せるようにして、腰から上体を曲げている。これは疲れます。軽い荷物ならまだしも、通学でこの姿勢で歩いていたら、あちこちに過緊張が起こりそうです。

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稽古と日常をつなげるために

それからです。技の理解につながるため、どうしてこうするのか、理由はできるだけ平易なコトバで説明していますが、さらに日常の動作を比喩に使うようにしています。

技では相手と密着していると、少ない力で動かせます。リュックは背中に背負っているから、負担が少ない。胸に抱くならまだしも、もし腕を伸ばして体から離れたところで持つと、腕が耐えられない。

リュックを背負って歩くためには、やや前傾する。そのときに背面が真っ直ぐだと、骨格的に強く、余計な筋力を使わない。

一直線に揃った線を上に伸ばす、軽く引っぱられるようにイメージすると維持しやすい。いちばん大事なのは、骨盤と腰椎(背骨の腰部分)のところが真っ直ぐになっていること。そんな風に説明します。

腰は上半身と下半身をつなぐ、要(かなめ)の部分。でも肋骨のように包み込むようにガードしてくれる骨がない。この部分を意識し、背骨の一番下(仙骨・尾骨)から腰椎までを真っ直ぐにすることで、姿勢による力の流れを効率的に伝えます。

​日常的にもこのエリアがフラフラしていると、腰痛になりやすいのだと思います。「腰が定まらない」とか「腰が引ける」などのフレーズは、日本の伝統的な身体感と心理状態をリンクさせた表現なのではないでしょうか。

合気道の動作を具体的な意味として理解して稽古していけば、日常の動作も変わります。コストパフォーマンスのいい動きだけではなく、傷まない体にもなるはずです。

誰にとっても受身はできた方がいい

合気道を稽古するためには、受身が必要です。でも受身は、合気道をやらなくてもできた方がいいのです。

なぜなら子供でも大人でも高齢者でも、転んでしまうシチュエーションは、いつでもどこにでも待ち構えているかもしれません。そのときにケガをするかしないか、重大な事故になるかどうかが問題です。

合気道では、前に倒れたとき、後ろに倒れたときなど、さまざまな設定で受身の稽古を行います。どういう設定でも、ベースになるのは衝撃を逃すための体の使い方。そして重大な事故になりかねない後頭部などを護ることです。

さまざまな設定での受身を繰り返し稽古することで、どんな風に倒れても身を護れるようになります。

何のために

​合気道を稽古するのか

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健康法としての合気道

健康を維持するために、運動習慣として合気道を始める人も少なくありません。

合気道は無理な力を使いません。養神館合気道で大きな力を出すのは、主に重心の移動です。ほとんどが体を伸ばして使いますので、のびのびとしていて健康的です。

 

全身のストレッチと考えてもいいと思います。ただ一般的なストレッチと大きくちがうのは、体の各パーツが個別に動いているのではなく、連動しています。合気道の動きは全身が連動して、つながりの中で伸ばすのです。

また日本の武道の特徴は、多くが素足で稽古するところ。フィットネスでもなんでも足裏や足指を鍛えることは、少ないのではないでしょうか。しかし足裏や足指は、全身と連動しています。機能性の高い靴を履いてするスポーツでは、そのバランスが崩れてしまいます。

足指足裏だけではなく、全身の皮膚はセンサーとしての役割りがあります。腕を掴まれる技では、掴まれたところから相手の状態を感じ取ります。これも人間本来の機能であるはず。

目と脳の刺激が圧倒的な現代では、何もしなければ、どんどん身体がなくなってしまいます。もしなければ、どんどん退化していくだけです。

そして受身は、自分ではなかなか刺激することのできない背中のマッサージとも言えます。健康法として合気道を続けるのは、理想的なのです。

昇級昇段は、わかりやすい自信のステップ

養神館合気道の帯は、四級までが白帯、三級からが茶帯、初段からが黒帯です。袴は女性が初段から、男性は三段から履くことができます。

精晟会の昇級基準は、下の級で学んだ審査技が上の級になると難易度が高い状況設定になり、技の数・種類が徐々に増えていきます。昇級を目標に稽古し、できるようになると確実に合気道のレベルも上がっていく分かりやすいステップになっています。

​合気道を稽古するのに、必ずしも昇級昇段を目標にすることはありません。それでも目標にして稽古すれば、確実に上達のステップを刻むことができます。上達したことが実感しやすいと、達成感を感じることができます。そして昇級や昇段が、自信のステップアップにもつながります。

年一回開催される養神館合気道の演武大会など、人前で演武することでも、同様だと思います。

武道のススメ! ​合気道のススメ!

​万が一のとき、どう行動できるか

女性に限らず、護身術として合気道を習いたいという方は少なくありません。何かあったときに、相手をやっつけてしまいたいなら、合気道は適していないかもしれません。

よく警察官も合気道をやっているという話があちこちで出ますが、それは養神館合気道のことです。

養神館本部道場には警視庁の合気道指導者になる人たちの警視庁専修生制度があり、また女性警察官の約6割が稽古されているそうです。ただ職業としてやられている方々の稽古量や稽古方法は、一般の道場とはまったく異なります。

また警察官が犯人に向うときは、必ず複数ですし武器を携行しています。それは安全に、確実に取り押さえるためなのです。

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