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たすき掛けで、肩こりにならなくなるのは

December 5, 2016

 

12月1日の表参道教室の稽古で、帯を使ってたすき掛けしてみました。構えたときの姿勢で、肩が落ち胸を張った状態がどんなものか、わかりやすく覚えてもらえる方法はないかと考えて、たすき掛けしてみたのです。

たすき掛けを、日常で見ることはほぼありませんよね。弓道では女性の射手にたすき掛けが規定されているそうです。一般的には掃除したりするときに、着物の袖が動作の邪魔にならないようまとめるために、たすき掛けしているイメージでしょうか。私はそう思っていました。

 

ところが10年以上前に『日本人力 ジパングボディシステムで甦れ』という本を読んで、そうか、そういう意味があったのかととても納得したのです。

 

 

 

著者の河野智聖さんによると、ジパングボディシステムを形成しているアイテムには、着物・はちまき・たすき・腰帯・草履・足袋・足半などがあり、それらを身につけることで身体を養ってきたといいます。


たすき掛けで、肩こりをなくし、肩甲骨をひきしめることができる

ただ「はちまき」「たすき」「腰帯」はジパングボディシステム三種の神器とされているのですが、これらの効用は、とてもわかりやすいと思いました。
河野智聖さんは、たすきについてこう書かれています。

たすきをかけることで肩の力が抜け、肩こりをなくすことができるのです。また肩〜肘〜手首にかけての連動がスムースに行われます。刀剣や槍の動きから、日常の掃除の作法に至るまで、たすきをかけることによって安定度が増し、疲れなくなるのです。
たすきには肩胛骨を引き締め、その反射で胸腺を拡げ、呼吸が深くなり胸の線を美しくする効果もあります。現代の女性のブラジャーはこの逆で、寄せて上げて前を締める逆たすき状態となっています。前を締めるとその反射で後ろが拡がるのです。

肩や首がこるのは、首から肩周辺の筋肉、僧帽筋などが緊張していたり余計な負荷がかかっているからですね。スマホやパソコンを使い、頭という重いものが前に傾いているところを想像すればわかりやすいと思います。ただ美しいかどうかは、人それぞれ価値観が違いますし、ジパングシステムといっても今の時代着物を着ていないし体型もちがうし。という疑問もでてくるかもしれません。

ところがモデルの世界でも、胸を開くのです。

 


 

モデルになると、整体的に胸を開くこともある

 

ストリート系だとわかりませんが、いわゆるモデルとしてスカウトされても、猫背で首が前に出ていたり巻き肩だと胸を開くレッスンや整体の施術を受けたりします。まず胸というよりデコルテが張っていないと、服のラインがきれいに見えないからだと思います。そしてバランスのとれた立ち姿じゃないと、モデルとして様にならないのでしょう。バランスのとれた立ち方ができれば崩すのは簡単ですが、その逆は難しい。


胸を開くと、肩甲骨が寄り、肩の位置がうしろになり、ざっくり言うと頭、胸、腰という三つの重いエリアが垂直に揃うので、立つことに最小限の筋肉しか使いません。つまりは脱力できている状態。脱力できているから、動くのも滑らか。日本人だから、モデルだから、武道だからといっても、このあたりは世界中で本質的にそれほど違わないと私は思っています。
胸を開くということならストレッチポールに乗れば実感できますが、これは寝た状態。立ったまま上半身の状態をあっさり実感できるのが、たすき掛けだというわけです。

 


 

一般的に武道は、含胸抜背?

 

武道や格闘技では、中国武術でいうところの含胸抜背で構えるものが多いように思います。胸を凹ませて、鳥が羽を広げるように肩甲骨を広げている。これは自分の胴体を相手から遠くし、間合いになる空間、制空圏を維持しているように思えます。ところが養神館の場合だと、構えでは胸を張れと言われます。これは先に「剣の持ち方と、養神館の構えの関係」で書いたことと同じで、中心力、中心に乗っていく集中力を重視しているからではないでしょうか。剣なら、まず重視するのは中心の取り合い。


『日本人力』には、たすき掛けをすると、中心に力が集まると書かれています。締めて体の中心軸に向けて集めることによって、ムダな力を使わない。集めていれば、崩すのは簡単。
そして養神館でも、残心は含胸抜背になっています。締めると広げるは、両方とも必要なのだと思います。締めたところから広げると、大きな広背筋の力も使えます。

 

 

 

胸は張るのではなく、斜め上にあげる?

 

胸を張るといってしまうと、なにか国会議員の姿勢を連想してしまいます。あれはやり過ぎ、力み過ぎだと私は思ったりするのですが、どの程度がいいのでしょう。

私は稽古のときだと「斜め上から引っ張られている感じ」だと説明するのですが、意識的に姿勢を維持するというより、イメージを使う方が力まなくていいと思うのです。どんなにいい姿勢だとしても、普段からそれを維持しようと固まってしまうのはマイナスだという気がします。スマホやパソコンを使わないわけにはいかないですし、普段の姿勢のポジションがいい悪い以上に力んで固まってしまうのがまずいのではないでしょうか。

だからイメージ。


また斜め上だと思うのは、『日本人力』では腰帯で腰を締めることが書かれていますが、私は袴の腰板で感じます。腰板を添えて締めると、前方斜め下方向に軽く押される。それと連動して、胸骨が斜め上に持ち上がる感じがします。

胸骨操作を提唱されている日野晃先生によれば「胸骨の引き上げ」ですが、養神館の構えは前傾しているので、「斜め上から」でもいいのではないでしょうか。

 

 

ちなみにこの本では日野先生が、故塩田剛三先生の姿勢を徹底的に研究して体重そのものを力にする原理を見いだしたと書かれています。

ほかにも塩田剛三先生の動きを引用した内容が出てきますよ。

 

 

 

 

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