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合気道を理解するために役立つ知識や名言、歴史上のエピソードを、信頼度が高く、また再版されていない書籍などから引用したものをデータベースにしました。

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また、その当時の植芝開祖と塩田先生の様子をうかがい知ることができる貴重な話をご紹介しよう。植芝開祖の内弟子だった玉置信氏から直接聞いた話である。玉置氏は塩田先生の弟弟子にあたり、後に水戸署の署長となり退官後、養神館に数年来られた。何かと生活面で我々を指導していただいた。 玉置先生曰く、 (中略) その頃、塩田先生は拓大の学生さんで毎日植芝道場に通っておられました。カッカッカッと前のめりの下駄の音が聞こえますと裏木戸を開ける音がし、道場の裏口から「やあ」と言って角帽に袴姿の塩田先生が現れます。 威勢のよい話をしているうちに植芝先生がお見えになり稽古が始まりますと、第1番目に植芝先生のお相手をするのは塩田先生です。植芝先生が技をかけますと塩田先生の体がピューと遠くに飛び、畳に着くやいなや植芝先生目がけて矢のように襲いかかるというふうです。こうしたことが何遍か繰り返されているうちに、植芝先生の目がかっと見開き、額に青筋が浮立ちますともう演武も高潮に達した証拠で、植芝先生の技に凄味が増し、塩田先生の体が植芝先生を軸に道場狭しとばかりに四方八方に飛び散り、時に高く宙に舞うという有様です。それは実に壮絶なものでした。 ある時、塩田先生が例のごとく植芝先生のお相手をして体が宙に浮いた瞬間、ピリッと布を裂くような音がしました。それは着地の姿勢をとるために体をひねった際、足のさばきで袴を引き裂いたものです。空中で、しかも部厚い布地を鋭利な刃物で切ったように裂いたこの集中力。塩田先生の力の不思議を見たような気がしました。このような全身の力を統一した瞬発力があらゆる技に貫いていたのですから私共にはたまったものではありません。塩田先生はそんな私共を知らぬげにニコニコとやさしく、若武者のように颯爽としていました。

植芝開祖と塩田先生

合気道の解

安藤毎夫

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