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合気道を理解するために役立つ知識や名言、歴史上のエピソードを、信頼度が高く、また再版されていない書籍などから引用したものをデータベースにしました。

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そのころ、先生は海軍大学に教えに行っていた。高松宮にも合氣道を教えていた。あるとき、高松宮が植芝先生を指して、屈強な軍人四人に、「あのじいさんを持ち上げ てみろ」と言った。そこで四人が一度にかかっても、全然持ち上がらなかった。先生は完全にリラックスを体得されていたのである。だが、植芝先生はそれを認識しておらず、他人には理解できない宗教的な言葉でしか語らなかったのである。先生は、「あのときは、天地の神々がそっくりワシの体のなかに入ってきて、磐石になって動か なくなった」 と言うのである。まわりの弟子たちはみんな、そう思いこんでいた。しかし、私は何百回とそれを聞かされても、そういう理屈に合わない話は最初から信用していなかった。自分の体のなかに神々が入ることなど一度もないと思っていた。 後に私が先生をハワイにお連れしたときに、ハワイの大きな力持ちが二人がかりで、私を持ち上げようとしたときがあった。ハワイの弟子たちはみんな私が持ち上がらないのを 知っているので別段、動揺はなかった。 しかし、植芝先生は控え席で、「藤平は上げられる、上げられる。やめさせろ、やめさせろ」と立ったり坐ったりして心配していた。 実は私は、前の晩、三時ごろまで弟子と酒を飲んでいた。そして、ソーッと帰ってきたのを植芝先生は氣づいていたのである。だから、「藤平のような大酒のみに神々が入るわけがない。入ったら神々が酔っ払ってしまう」と思い、私が軽々と持ち上げられるものと 決め付けていたのである。 しかし、リラックスして、あとで述べるような自然体になっていた私は、ビクともしな かった。ハワイの大男たちがウンウンうなりながら持ち上げるのに、地に根が張ったよう に持ち上がらなかった。「私は、ついでだからと、前で一所懸命踏ん張っている大男の頭をつかんでその体をグニャリとつぶして見せたのである。観客は皆一斉に拍手を送ってくれた。 神々などは、関係がないのである。六章で解説するように「重みは下にある」と言って 心身統一体になればよいのである。私の弟子たちはそれを知っているから、誰でもそれは できる。植芝先生のような特別な人でなく、みんなができてこそ本当に意義があるのだ。

宗教的な思い込み

中村天風と植芝盛平 氣の確立

藤平光一

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