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合気道を理解するために役立つ知識や名言、歴史上のエピソードを、信頼度が高く、また再版されていない書籍などから引用したものをデータベースにしました。

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軍隊に入る前、私は杖術を植芝盛平先生から教わっていた。といっても、せいぜい一週間程度のこと。決してみっちりと修行したわけではなかったが、要はいかに氣を剣に活かすかということである。 ところが予備士官学校には剣道三段や四段の人間がごろごろといて、いざ稽古を挑んで みると、こてんぱんに叩かれてしまう。相手は、おまえの剣道はおかしいと笑っている。「それで私は必死に考えた。彼らは毎日剣道の稽古をしてきた。高段者だし、予備士官学校でも剣道の時間がある。だとしたら、まともに剣道で相手をしたのでは相手になるはずがない。しかも、頼みの綱の植芝先生の杖も役に立たないではないか。いったいどうしたらいいのだろうか? そこで、よし、どうせやるなら、自分流の剣法を試してみようと思った。 それはこうだ。 相手と対峙し、相手をゆっくりと打つ。向こうは当然、パーンと私の剣を払うだろう。 しかし、このとき私はリラックスをし、力を抜いているようにするのである。すると、いくら払われても、氣が出ている私の剣はすぐに元の構えに戻ってくる。 相手は高段者だから、それこそ得意になって私の剣を払った。だが、払っても私の剣は すぐに元どおりの構えになっている。異様な事態にうろたえる相手をしりめに、私は息も つかせぬ勢いで相手を叩き始める。 もちろんこれは、正統な剣道の技術ではない。技術でかなわないのなら、とにかく氣で勝ってしまおうというのが狙いである。 結局、剣道家がぽかぽかと素人の私に叩かれるまま、何もできない。そのうちに竹刀が折れてしまったのでやめると、相手は脳貧血を起こしてひっくり返ってしまった。それからというもの、誰も私の剣道の相手をしなくなった。

剣術と氣

中村天風と植芝盛平 氣の確立

藤平光一

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